ご両親やお子さん家族との「二世帯化リノベーション」。家事や育児の協力、経済的なメリットなど、理想の暮らしを思い描く一方で、「本当にうまくいくかな…」「生活を始めたら、かえってストレスが増えるのでは？」と、”失敗”に対する不安をお持ちではないでしょうか。
二世帯化の失敗・後悔のほとんどは、暮らし始めてから気づく「小さなズレ」から生まれます。それは、ご家族の生活スタイルと「間取り（プラン）」が合っていないことが原因です。 この記事では、二世帯化でよくある具体的な失敗例と、それを「間取り（プランニング）」でどう解決できるのか、という具体的な解決策をセットで解説します。 リノベーションで後悔しないために、ご家族で何を話し合っておくべきか、そのヒントを見つけてください。
失敗の第一歩は「間取りタイプ」と家族の距離感のズレ
二世帯化のプランは、大きく3つのタイプに分けられます。ここで「なんとなく」でタイプを選ぶことが、最初の失敗につながります。それぞれのメリットと、「こんなご家族だと失敗しやすい」という注意点を理解し、ご家族の理想の距離感と合っているかを確認しましょう。
完全同居型：絆は深いが、プライバシーの確保が最大の課題
【特徴】
寝室以外（LDK、浴室、玄関）のほとんどを共有するタイプ。リノベーション費用は最も抑えやすい。
【メリット】
家族の気配を常に感じられ、家事や育児の協力が最もスムーズ。
【失敗しやすいケース】
生活リズム（起床・就寝時間）が大きく異なるご家族や、来客が多いご家族の場合、お互いが気を使いすぎて疲れてしまう失敗が起こりがちです。
完全分離型：プライバシーは完璧、しかしコストと心の距離が課題
【特徴】
玄関から水回りまで、世帯ごとで全てを分けるタイプ。アパートの隣室のようなイメージ。
【メリット】
プライバシーが完全に守られ、光熱費なども明確に分けられます。
【失敗しやすいケース】
リノベーション費用が最も高額になります。また、「同居しているメリット（家事の協力など）をあまり感じられない」「かえって関係が希薄になった」という、心理的な距離感の失敗も。
部分共有型：バランス型に見えて、最も「ルール決め」が重要なタイプ
【特徴】
玄関は共有し、LDKや水回りは分けるなど、一部だけを共有するタイプ。
【メリット】
完全分離型より費用を抑えつつ、プライバシーも確保しやすい、最も柔軟な型です。
【失敗しやすいケース】
「どこまでを共有にするか」の線引きが曖昧だと、失敗を招きます。例えば「お風呂だけ共有」にした場合、「入りたい時間が重なる」「掃除はどちらがやるか」など、共有部分のルール決めができていないと、ストレスの原因になります。
【場所別】具体的な失敗・後悔例
「間取りタイプ」を選んだ後も、細部のプランニングで失敗は起こります。ここでは、日常生活でストレスが溜まりやすい「場所」にフォーカスし、よくある具体的な失敗・後悔例をご紹介します。あなたの暮らしに当てはめて想像してみてください。
失敗①【水回り】：朝の洗面所渋滞と、夜中の入浴音
【よくある後悔】
「部分共有型でお風呂だけ共有にしたら、娘と祖母の入浴時間が重なって、お互いに気を遣う」「朝、出勤準備をしたいのに、洗面所が混雑してイライラする」「完全同居型にしたら、夜勤明けで寝ているのに、朝早くから洗濯機の音が響いて眠れない」
【原因】
水回りは、生活リズムの違いが最も表れやすい場所です。特に「音」と「利用時間の重複」への配慮が欠けていると、日々の大きなストレスになります。
失敗②【LDK】：キッチンの使い方と「誰のお客さん？」問題
【よくある後悔】
「LDKを共有（完全同居型）にしたら、義母がキッチンに立つ時間が長く、自分（妻）が料理をしづらい」「冷蔵庫のスペースで揉める」「リビングでくつろいでいたら、親世帯の客が来て、居場所がなくなった」
【原因】
LDKは家族の共有スペースであると同時に、個人のくつろぎの場でもあります。調理のスタイル（味付け、片付け方）の違いや、来客時のプライバシーが確保されていないと、安らげるはずの場所が「気疲れの場」になってしまいます。
失敗③【玄関・廊下】：散らかる靴と、プライバシーのない動線
【よくある後悔】
「玄関を共有にしたら、孫の靴が出しっぱなしで歩きにくい（親世帯）」「来客用の靴を置く場所がない（子世帯）」「2階の子世帯リビングに行くのに、必ず1階の親世帯LDKを通る間取り。友人を呼びにくいし、寝巻でウロウロもできない」
【原因】
玄関は「家の顔」であり、収納量が不足するとすぐに不満が出ます。また、動線がLDKなどを横切る設計だと、お互いの視線が常に気になり、プライバシーが確保できません。
失敗を回避する「間取り」の解決策
では、先ほど挙げた「失敗・後悔例」は、どうすれば防げたのでしょうか。これらはすべて、リノベーションの「間取り」の工夫で解決できます。高価な設備を導入することではなく、設計の工夫でストレスを回避する具体策をご紹介します。
解決策①（水回り）：洗面台の分離と「寝室から遠い」浴室配置
朝の混雑が予想される場合、たとえお風呂を共有（部分共有型）にするとしても、「洗面台」だけは2つ設置する（例：脱衣所とは別に、2階ホールにセカンド洗面台を置く）プランが非常に有効です。 また、生活リズムが違う場合、水回り（浴室・洗濯機）と寝室の「位置関係」を最重要視します。
親世帯の寝室の真上（あるいは真横）に、子世帯の水回りを配置するのは絶対に避けるべきです。プランニングで「音」の伝わりにくい位置に配置するだけで、失敗の多くは防げます。
解決策②（LDK）：サブキッチンの設置と「回遊動線」
LDKを共有（完全同居型）にする場合でも、2階ホールなどに小さな「サブキッチン（ミニキッチン）」を設置するプランをおすすめします。夜中にお茶を飲みたい時、朝に簡単な食事を済ませたい時など、わざわざメインキッチンに下りる必要がなくなり、お互いの気遣いが減ります。 また、来客時のストレスは「動線」で解決します。例えば、親世帯の客がLDKにいても、子世帯がLDKを通らずに自分の寝室や水回りに行ける「回遊動線」を設計することで、プライバシーは格段に向上します。
解決策③（玄関）：世帯別の「シューズクローク」と生活動線の分離
玄関を共有にする場合、下駄箱を世帯ごとで分けるのではなく、思い切って「シューズクローク（土間収納）」を設けるプランが有効です。ベビーカーや趣味のアウトドア用品なども置け、玄関が散らかるストレスを一気に解消できます。 そして最も重要なのが「動線の分離」です。
玄関ホールから、親世帯LDKを通らずに「直接2階（子世帯）へ行ける階段」を設けるプランニング。これが、部分共有型や完全同居型におけるプライバシー確保の「答え」とも言える解決策です。
失敗しないために家族で決めるべきこと
これまで見てきたように、失敗の多くは「間取り」で解決できます。しかし、最適な間取りは「ご家族のルール」が決まらないと作れません。リノベーション会社に相談する前に、ご家族全員で必ず話し合っておくべき「家族会議の議題」をご紹介します。
議題①：お金の分担（リノベ費用、毎月の光熱費、食費）
最も重要で、最も話しにくいのが「お金」です。
◎リノベーション費用は誰がどれだけ出すのか？（家の名義（登記）にも関わります）
◎毎月の光熱費はどう分けるのか？（メーターを世帯別に分ける工事をするか？）
◎食費や通信費は？ これらを曖昧にしたまま同居を始めると、必ず不公平感が出てきます。
リノベーションのプラン（メーターを分けるか否か）にも直結するため、必ず最初に明確にしましょう。
議題②：共有スペースの使い方（来客、掃除、利用時間）
LDKやお風呂、玄関など、「共有する場所」のルールを決めましょう。
◎来客は、どの部屋まで、週に何回、何時までOKとするか？
◎共有部分の掃除の分担は？
◎お風呂や洗濯機の利用時間は、だいたい何時頃にするか？
このルールを先に決めることで、例えば「来客が多いから、LDKを通らない動線が必須」といった、具体的な間取りの要望が見えてきます。
議題③：将来の変化（介護、子どもの独立、相続）
今は良くても、10年後、20年後はどうでしょうか。
◎親世帯の介護が必要になった場合、どの部屋を介護用寝室にするか？
◎車椅子でも通れるよう、廊下やトイレは広くしておくか？（バリアフリー改修）
◎子世帯の子どもが独立した後、余った部屋はどう使うか？
◎最終的に、この家を誰が相続するのか？
将来を見据えた「対話」をしておくことで、今だけでなく、10年後も「失敗しなかった」と思えるリノベーションプランを作ることができます。
まとめ
二世帯化リノベーションの「失敗」は、多くの場合、ご家族間の「小さなルールのズレ」と、それをカバーできない「間取り」によって引き起こされます。 逆に言えば、リノベーションの前にご家族でしっかりと「対話」し、お互いの生活スタイルやルールを共有できれば、それを「間取り（プランニング）」の力で解決することが可能です。玄関の動線、水回りの配置、サブキッチンの設置など、工夫次第でストレスは最小限にできます。
私たちリノベハウスは、単に家をきれいにするだけでなく、こうしたご家族間の「対話」を重視し、お互いが心地よい距離感を保てる「間取り」をご提案することを得意としています。 「うちはどのタイプが合うんだろう？」「こんなルールだと、どんな間取りがいい？」 そんなお悩みがあれば、ぜひ一度、厚木市・海老名市での経験が豊富なリノベハウスにご相談ください。
リノベーション展示場なら実際に見て触って実感できます！
リノベハウスのリノベーション展示場は、専門スタッフに直接相談できる展示場です。
実際に見て触って、暮らしのイメージも膨らみます。
リノベーションをご検討の方はリノベーション展示場に、お気軽にお越しください！
リノベハウスのInstagram更新中！
公式Instagramのフォローお待ちしています