厚木市や海老名市でご実家のリノベーションを考え始めたとき、「うちの家は在来工法らしい」と耳にすることがあるかもしれません。「在来工法」と聞くと、古いタイルの浴室を思い浮かべる方もいらっしゃいますが、実はそれは「日本古来の建物の建て方(構造)」を指す言葉でもあります。
私たちリノベハウスは、一軒家全体の大規模リノベーションを専門としています。この記事では、「建物の構造としての木造在来工法」に焦点を当て、その家がリノベーションにおいてどれほど大きな可能性を秘めているかを解説します。 ツーバイフォー工法との違い、メリットや注意点はもちろん、リノベハウスの強みである「ご提案」で、その自由度をどう活かすかをご紹介します。
在来工法とは?リノベーション前に知りたい家の基本構造

リノベーションの計画を立てる前に、まずはご自宅の「構造」を知ることがスタートラインです。「木造軸組工法」とも呼ばれる「在来工法」は、日本の戸建て住宅で最も多く採用されてきた伝統的な工法です。
柱と梁で家を支える伝統的な仕組み
在来工法(木造軸組工法)の最大の特徴は、コンクリートの基礎の上に「柱(垂直方向)」を立て、その柱に「梁(水平方向)」を渡して、建物の骨組み(軸組)を作っていく点にあります。家全体を「線」で支えるイメージです。
古くから日本の神社仏閣の建築にも用いられてきた技術がベースになっており、高温多湿な日本の気候風土に合わせて進化してきました。柱と梁の組み合わせで構造が成り立つため、壁の配置に関する自由度が高いのが特徴です。厚木市・海老名市エリアでも、築20年以上の木造戸建てで、この在来工法が多く採用されています。
リノベーションで重要な耐力壁とそれ以外の壁
在来工法は壁の自由度が高いと述べましたが、どんな壁でも撤去できるわけではありません。建物の耐震性を確保するために、「耐力壁(たいりょくへき)」と呼ばれる構造上重要な壁が存在します。これは、地震や台風の際に横からの力(水平力)に耐えるために、筋交い(すじかい)を入れたり、構造用合板を張ったりして補強された壁のことです。
リノベーションで間取りを大きく変更する際は、この「耐力壁」がどこにあるかを専門家が正確に診断することが不可欠です。それ以外の壁(間仕切り壁)は、比較的自由に撤去・移動が可能です。
リノベーションの自由度が違う?在来工法とツーバイフォー工法の比較

木造住宅には、在来工法の他にも「ツーバイフォー(2×4)工法」という建て方があります。この2つは家の成り立ちが根本的に異なり、リノベーション、特に間取り変更の自由度に大きな差が出ます。ご自宅がどちらの工法かによって、実現できるご提案の内容が変わってきます。
「線」で支える在来工法、「面」で支えるツーバイフォー工法
在来工法が「柱」と「梁」(=線)で構造を支えるのに対し、ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)は、2インチ×4インチの角材で組んだ「枠」に「構造用合板」を打ち付けた「壁パネル」(=面)を作り、その面を組み合わせて家を建てる工法です。家全体を6面体(床・壁・天井)の「箱」として支えるイメージです。
在来工法は「軸組」、ツーバイフォーは「枠組壁」と覚えておくと分かりやすいでしょう。ツーバイフォーは、耐震性や気密性を確保しやすい、工期が短いといったメリットがありますが、リノベーションの観点では異なる特性を持ちます。
間取り変更の自由度が高いのは在来工法
リノベーションにおける最大の違いは、「壁の扱い」です。在来工法は、前述の「耐力壁」さえ適切に残し、必要に応じて補強・移動すれば、それ以外の壁は自由に撤去して大空間のLDKを作ったり、窓を新設したりすることが比較的容易です。
一方、ツーバイフォー工法は、家を支えているのが「壁そのもの(耐力壁)」です。そのため、原則として耐力壁を撤去したり、大きな開口部(窓など)を新設したりすることが非常に困難です。間取り変更には強い制約がかかるため、在来工法のような大胆なリノベーションはしにくいのが実情です。
在来工法のメリットとデメリット。リノベーションでどう活かす?

ご自宅が在来工法だと分かったら、リノベーションにおいてどのような「メリット(強み)」があり、逆にどのような「デメリット(弱点)」に注意すべきかを知っておきましょう。この特性を理解することが、理想の住まいづくりで後悔しないための第一歩です。
【メリット】間取り変更の自由度と将来の可変性
最大のメリットは、やはり「間取り変更の自由度の高さ」です。柱と梁で構造が成り立っているため、「子どもが小さいうちは広いワンルームにし、将来は壁で仕切って個室にする」といった、ライフスタイルの変化に合わせたリノベーション(リフォーム)にも柔軟に対応できます。
例えば、「1階の和室とリビングを繋げて、日当たりの良い大空間LDKにしたい」「風通しを良くするために、廊下に面して新しい窓を設けたい」といったご要望も、在来工法であれば実現しやすいと言えます。この「設計の柔軟性」こそ、在来工法の家がリノベーションに最適とされる最大の理由です。
【デメリット】築年数による耐震性と断熱性への懸念
一方、デメリットとして注意が必要なのが、特に築年数が古い(例:1981年の新耐震基準以前)在来工法の家の耐震性です。古い基準で建てられている場合、現在の基準を満たす耐震性がない可能性があります。また、当時の断熱基準は現在よりもはるかに低く、壁や床に断熱材が入っていない、または不十分なケースも多く見られます。
そのため、間取り変更(リノベーション)を行う際は、必ず耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強工事を同時に実施することが不可欠です。同様に、「断熱改修工事」も行わなければ、いくら間取りが新しくなっても「夏は暑く、冬は寒い家」のままになってしまいます。
在来工法を活かすリノベハウスのご提案例

私たちリノベハウスはお客様のお話をじっくり聞くことで、在来工法のメリットをどう活かすかをご提案します。ここでは、厚木市・海老名市でよく伺うご要望を例に、私たちのご提案例をご紹介します。
1階の和室とリビングを繋げ、暗いキッチンを対面式にしたい
【お客様からの要望】
「在来工法のご実家(築30年)。日中暗い独立型キッチンで孤立感がある。リビング横の和室は現在使っておらず、物置状態。家族が集まる明るく開放的なLDKが欲しい」
【ご提案例】
まず現地調査で、リビングと和室の間にある壁、キッチンとリビングの間にある壁が「耐力壁」かどうかを診断します。在来工法の場合、これらが間仕切り壁である可能性も高いです。もし撤去可能であれば、和室・リビング・キッチンを一体化した約20畳の大空間LDKをご提案します。
同時に、耐震診断に基づき、撤去した壁の代わりに別の場所に耐力壁を新設するか、柱や梁を補強する計画も立てます。キッチンは開放的な対面式にし、家全体の断熱性能を高めるため、床・壁の断熱改修と窓の交換もおすすめします。
子どもが2人。将来の個室も考えつつ、今は広く使いたい
【お客様からのご要望】
「2階に12畳の洋室が1つあるが、現在は夫婦の寝室。5歳と3歳のお子さんのために、いずれは2部屋に分けたい。でも、今は走り回れる広いスペースが欲しい」
【ご提案例】
在来工法は将来の可変性が高いのがメリットです。そこで、12畳の洋室はあえて仕切らず、広い「ファミリースペース兼寝室」としてご提案します。ただし、将来的に2部屋(6畳+6畳)に分けられるよう、あらかじめ「ドアを2つ」設置し、「照明とコンセントのスイッチも2系統」に分けて配線しておくことをご提案します。
また、間仕切り壁を立てる予定の場所の天井には、あらかじめ下地(補強材)を入れておきます。これにより、将来お子さんが個室を欲しがる時期が来たら、大掛かりなリノベーション工事をせず、簡易な壁の設置工事だけで対応が可能になります。
在来工法のリノベーションで必須の耐震と断熱

在来工法の家をリノベーションする際、間取り変更のご提案と同時に重視すべきなのが、デメリットとして挙げた耐震性と断熱性の向上です。この2つをおろそかにすると、見た目だけが新しくなり、安心して長く住める家にはなりません。
必ず実施すべき耐震診断と補強工事
特に1981年(昭和56年)5月以前の旧耐震基準で建てられた在来工法の家は、大規模なリノベーションを行う前に必ず「耐震診断」を実施すべきです。リノベハウスでは、専門家が天井裏や床下に入り、基礎の状態、壁の配置バランス、筋交いの有無、接合部の金物の状態などを詳細に調査します。 診断の結果、耐震基準を満たしていないと判明した場合は、「耐震補強工事」をリノベーションに組み込みます。
壁を増やして耐力壁のバランスを整えたり、柱と梁の接合部に金物を追加したり、基礎のひび割れを補修したりします。間取り変更のために壁を解体するリノベーションのタイミングは、こうした補強工事を行う絶好の機会です。
ヒートショックを防ぐための断熱改修
古い在来工法の家は、「夏は暑く、冬は寒い」ことが当たり前でした。壁の中や床下に断熱材が入っていなかったり、入っていても性能が低かったりするためです。また、窓もアルミサッシの単板ガラスが主流で、熱がどんどん逃げていました。 これでは、冬場にヒートショックを起こす危険性も高まります。
リノベハウスでは、大規模リノベーションの際に壁や床を一度解体するタイミングで、高性能な断熱材(グラスウールや発泡ウレタンフォームなど)を隙間なく充填する断熱改修を強く推奨しています。さらに、窓をすべて樹脂サッシの複層ガラス(ペアガラス)などに交換することで、家全体の断熱性能は新築同様に向上し、光熱費の削減と快適な室内環境を実現できます。
まとめ

在来工法で建てられた一軒家は、構造的な制約が少なく、リノベーションによって間取りを自由自在に変更できる大きな可能性を秘めています。使っていなかった和室をLDKと一体化したり、将来の家族構成の変化に対応できる子供部屋を作ったりと、理想の暮らしを描きやすいのが最大の魅力です。
しかし、その自由度を最大限に活かし、同時に耐震性や断熱性といった弱点を克服するには、専門家による正確な診断と、ご家族の要望を深く理解するためにお客様のお話を聞くこと、そしてそれに基づく最適なご提案が不可欠です。
厚木市・海老名市エリアで、ご実家や今お住まいの在来工法の家をリノベーションしたいけれど、「どこまで変えられるか分からない」「耐震が心配」といったお悩みをお持ちなら、ぜひ一度リノベハウスにご相談ください。お客様の「こう暮らしたい」という想いを、私達が形にします。
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