「リノベーションするなら、絶対にファミリークローゼットが欲しい!」
SNSでおしゃれな事例を見るたび、そう夢を膨らませている方は多いはずです。特に小さなお子様がいるご家庭では、リビングに散らかりがちな衣類を一箇所にまとめられるファミリークローゼットは、家事の救世主に見えることでしょう。
ファミリークローゼットは人気ですが、安易な設置は後悔を招く可能性があります。「狭くて着替えられない」「湿気がこもりカビが発生した」「子どもの成長後、使わなくなった」といった失敗例も少なくありません。特に築古物件のリノベーションでは、構造上の制約が大きな課題となることがあります。
本記事では、単なる憧れではなく、あなたの家族に本当に必要かを見極めるための判断基準と、築40年の実家をリノベーションして住む若い子連れ夫婦を想定した、具体的でリアルな間取りや動線設計について解説します。
ファミリークローゼットとは?動線で変わる2つのタイプ

ファミリークローゼットとは、家族全員の衣類をまとめて収納するスペースのことを指します。都心や横浜方面へ電車通勤する方が多い海老名・厚木エリアでは、帰宅してすぐに着替えられるファミリークローゼットを配置することで、オンオフの切り替えがスムーズになります。
しかし、ただ広い収納を作れば良いわけではありません。重要なのは「そこで何をするか」という動線です。大きく分けて2つのタイプがあり、どちらを選ぶかで間取りの考え方は劇的に変わります。
収納力重視の「ウォークイン型」
一部屋をまるごとクローゼットにするのが「ウォークイン型」です。出入り口が1つの行き止まりタイプと言えばイメージしやすいでしょう。 このタイプの最大の魅力は、壁面すべてを収納に使えるため収納量が圧倒的に多いことです。個室感があるため、着替えスペースとしても落ち着いて利用できます。
服の量が多いご家族や、季節家電や布団などもまとめてしまいたい場合に適しています。一方で、行き止まりになるため動線が途切れてしまう点や、奥に空気が滞留しやすく風通しが悪くなりやすい点には注意が必要です。
動線重視の「ウォークスルー型」
出入り口が2つ以上あり、部屋と部屋を繋ぐ通路を兼ねたのが「ウォークスルー型」です。例えば、洗面所からクローゼットを通ってリビングへ抜けるような配置がこれに当たります。 このタイプのメリットは、移動のついでに片付けができるため、家事効率が飛躍的に向上することです。回遊動線も作りやすく、共働きで時短を最優先したいご家庭や、洗濯動線を極限まで短くしたい方に最適です。
ただし、通り抜けるための通路スペースを確保する必要があるため、ウォークイン型に比べると収納量は減ってしまいます。また、人が頻繁に通るため、落ち着いて着替える場所としては不向きな側面もあります。
築40年×子連れ夫婦のファミリークローゼット

厚木・海老名エリアに多い、築40年の木造住宅を例に考えてみましょう。築40年の木造住宅は、細かく部屋が仕切られており、現代のライフスタイルには合いにくいのが特徴です。しかし、この古い間取りの特性を理解し、適切にリノベーションすることで、子育て世帯にとって非常に快適な住まいへと生まれ変わります。
ここでは具体的なプランを提案します。
家事動線が劇的改善!1階完結型の配置
築古物件では1階に和室が2つ続いているケースが多く見られます。この和室の1つをLDKに取り込み、残りのスペースを水回りとファミリークローゼットに再編するプランがおすすめです。
具体的には、キッチン、洗面脱衣室兼ランドリールーム、ファミリークローゼット、リビングを回遊できるように繋げます。「洗う・干す・しまう」という一連の動作を数歩の移動で完結させるのです。子供が小さいうちは、お風呂上がりのバタバタした時間帯に、おむつやパジャマをすぐに取れるこの配置が、まさに「神動線」として機能します。
築古の敵「抜けない柱」を逆手に取るアイデア
築40年のリノベーションで壁を取り払おうとすると、「構造上抜けない柱」が邪魔になることが多々あります。しかし、これを邪魔者扱いせずファミリークローゼット内に取り込んでみましょう。
例えば、抜けない柱と壁の間を棚板で繋ぎ、バッグ置き場や帽子掛けとして活用することができます。また、壁にならず筋交いだけが残る場合は、そこをあえてオープンな仕切りにし、視線が抜ける開放的なクローゼットに仕上げることも可能です。制約をデザインに変える発想が、リノベーションの成功の鍵を握ります。
絶対に欠かせない「寒さ対策」
昔の家は断熱性能が低く、非常に寒いのが難点です。特にクローゼットは北側に配置されがちで、冬場は極寒の空間になりかねません。「寒くて着替えに行きたくない」となってしまえば、結局リビングに服が溢れることになります。
そのため、クローゼット部分であっても床・壁・天井の断熱材はしっかりと入れてください。可能であれば、小さなパネルヒーターを置けるコンセントも設置しておくと安心です。快適な室温があって初めて、収納は機能します。
本当に必要?ファミリークローゼットのデメリット

素敵な施工事例を見ると憧れますが、イメージだけでファミリークローゼットを設置するのは禁物です。最大の懸念点は、やはり貴重な床面積を使ってしまうこと。3畳前後のスペースを収納に割くことで、リビングなどが狭くなるリスクがあります。
「我が家の広さで無理なく実現できるか?」を、メリットとデメリットの両面から慎重に見極めましょう。
子供が「思春期」を迎えた時のプライバシー問題
子供がまだ小さい頃は家族全員で使えて便利ですが、10歳、12歳と成長した時、父親と娘が同じ空間で着替えることに抵抗感が生まれるケースがあります。 対策としては、最初から大人のゾーンと子供のゾーンを離して配置するゾーニング計画が有効です。あるいは、「子供が中学生になったら、この場所は夫婦の趣味部屋と季節収納にする」と割り切り、最初から子供部屋に個別のクローゼットを用意しておくのも一つの手です。
将来的に真ん中で仕切れるよう、天井にカーテンレール用の下地を入れておくといった工夫も、長く使うための知恵です。
通路幅にも注意
図面上では「人が通れる」と思っても、実際に使ってみると狭くて不便なことが多々あります。 通路幅が60センチの場合、人一人がカニ歩きで通れるギリギリの幅です。これでは引き出しを開けた時に後ろに下がるスペースがありません。ストレスなく歩くためには80センチ、すれ違いや親子での着替え、洗濯物を畳む作業をするなら100センチ以上の幅が必要です。
リノベーションでは数センチの差が使い勝手を左右します。手持ちのタンスを置く場合は、引き出しの奥行きに加え、人が立つスペースとして約45センチが必要であることを計算に入れて計画してください。
ファミリークローゼット以外の選択肢

予算や面積が限られている場合、流行だからといって無理にファミリークローゼットを導入する必要はありません。かえって居住スペースが狭くなり、住み心地を損なってしまっては意味がありません。
最も重要なのは「家族の動線」に合っているかという点です。ライフスタイルによっては、各部屋の収納を充実させる方が、コストを抑えつつ快適な住まいを実現できるケースも多くあります。
ここでは、ファミリークローゼット以外の収納アイデアをご紹介します。
分散型収納+ランドリー収納
家族全員の服を一箇所に集めるのではなく、下着、パジャマ、タオルといった「お風呂上がりに必要なもの」だけを脱衣所に集約し、おしゃれ着や制服は各個室に収納するスタイルです。
これならファミリークローゼットほどの広さが不要で、かつ入浴前後の動線はスムーズに確保できるため、非常に実用性が高い選択肢です。
玄関土間の拡張
アウトドアやスポーツが趣味のご家族なら、室内のクローゼットよりも玄関収納を広げた方が便利な場合があります。玄関横にコートクロークを設ければ、帰宅後すぐに上着や鞄を置くことができ、リビングに花粉や汚れを持ち込まずに済みます。
廊下を壁面収納にする
「部屋」としてのクローゼットを作らず、広めの廊下の壁一面をクローゼットにする方法もあります。建具などのドア代を節約できる上に、通路を兼ねているため面積の無駄がありません。中身が見えないようロールスクリーンなどで隠せば、見た目もスッキリと保てます。
失敗しないための「サイズと仕様」チェックポイント

最後に、リノベーションの打ち合わせ前に確認しておくべき具体的な数値や仕様についてまとめます。
ハンガーパイプの高さと広さ
ハンガーパイプは人用であれば床から180センチから200センチの位置が適当です。この高さがあれば、下にチェストを置くことができます。収納量を増やしたい場合は、上段を200センチ、下段を100センチの2段掛けにすることで、倍の量の服を収納できます。
快適な奥行き
服をハンガーに掛けるなら最低でも55センチ、できれば60センチの奥行きが必要です。もし布団を収納する予定があるなら、75センチから80センチは確保しておきましょう。
コンセントと照明
照明の色味は、自然光に近い「昼白色」を選んでください。雰囲気の良い「電球色」を選んでしまうと、服の正確な色が分からず、外に出てから「靴下とズボンの色が合っていない」と気づく失敗に繋がります。コンセントは、掃除機や除湿機、サーキュレーター用に最低2箇所は設けておきましょう。
忘れがちな換気システム
服は紫外線で日焼けしてしまうため、あえて窓は設けないのが一般的です。その代わり、換気扇による排気と、ドアの下の隙間(アンダーカット)からの給気で空気が常に回るように計画するのが鉄則です。
まとめ

ファミリークローゼットは、単なる大きな収納場所ではありません。家族の時間を生み出し、暮らしを整えるための装置です。
築40年のリノベーションであれば、既存の制約をアイデアで乗り越える楽しさがあります。しかし、流行りに流されて無理に設置し、肝心のリビングが狭くなってしまっては本末転倒です。 洗濯動線を劇的に短くしたいなら「ウォークスルー型」、収納力と個室感が欲しいなら「ウォークイン型」、そして子供の成長を見据えるなら将来変化できる「可変性」を持たせることが大切です。
リノベーション会社に相談する際は、「3畳のファミリークローゼットが欲しい」という要望だけでなく、「毎日の洗濯を楽にしたい」「子供が自分で片付けられる習慣をつけさせたい」といった「叶えたい暮らし」を伝えてみてください。そうすれば、プロの視点から、あなたの家にベストな収納のカタチが提案されるはずです。
厚木・海老名エリアでリノベーションを計画される際には、ぜひリノベハウスへお問い合わせください。
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